地元が誇れるバスケチームへ
<アルティーリ千葉の新挑戦>

〜thincなひと・アルティーリ千葉 新居佳英さん × 千葉県千葉市〜

2020年に設立された、千葉県千葉市を拠点とするプロバスケットボールクラブ、アルティーリ千葉。参入1年目にB.LEAGUEのB2に昇格し、4年目となる2025-26シーズンで、めでたくB1に昇格しました。

今後、スポーツクラブとしてどのような未来を目指すのか。地域の活性化に寄与するブランドとしての未来について、クラブを経営する株式会社アルティーリの代表取締役CEO 新居佳英(あらいよしひで)さんにお話を伺いました。

2025-26シーズンは
公約を果たせるラストチャンス

2025-26シーズンは、アルティーリ千葉がB1に昇格して最初のシーズンです。リーグ参入5年目になりますが、ここからがスタートであり、ようやくスタートラインに立てた感覚があります。ここに至るまでにこの先を登ることができる基礎体力を付けることができ、周囲の方々からの期待値も高まったと感じています。ファンの皆さんにも、「さあ、ここから!」と見守っていただけているのではないでしょうか。

これまでは、アルティーリ千葉のファンの皆さんが埋めてくれていた試合会場も、これからは変わってくるでしょう。B1には人気クラブが多く、それだけ試合に足を運ぶファンもたくさんいらっしゃいます。アルティーリ千葉のホームゲームに観戦にきてくださった相手クラブのファンからも、「アルティーリ千葉の演出はすごい!」と言ってもらえるチャンスも増えるでしょう。関係者の方々の努力により、毎年、前年を上回るパフォーマンスを目指してバージョンアップを続けてきました。ぜひ現地で目にしていただきたいです。

(Photo:Hajime Kino)

私もすべての試合に帯同し、チームメンバーとコミュニケーションを取っています。「来年はどうするのか」「この先、どうやって勝っていくのか」「どういうチームにしていくのか」という話をしながら、アルティーリ千葉をどういうチームにしていきたいのかという想いをしっかりと伝えるようにしています。彼らと話していると、チームサイドのメンバーもクラブのビジョンを知りたがっているのだと感じます。ただ「勝ってくれ」と言われるよりも、「こういうチームになるために、今年はこういう目標でいこう」とビジョン込みで伝えられるほうが「任せてください!」という気持ちになるのだなと。

逆に、試合でのパフォーマンスや戦績については触れません。クラブスタッフが自分たちに関心を持っていると伝わることが1番大事だと考えています。また、いつでも経営者やクラブスタッフとコミュニケーションが取れると思える、感情的な関係性を結べていることも大事ですね。

アルティーリ千葉の選手たちは、一人ひとりの集中力の強度が高いと言われています。ヘッドコーチが「ルーズボールやこぼれ球は全部うちのものにしてくれ」と選手たちに指示していますが、実際に最後の一歩、指先まで諦めずにボールを取りに行くことは、1シーズンを通して続けるとなると非常に難しいものです。しかし、アルティーリ千葉の選手たちには、その「最後の一歩」まで諦めない強さがある。これは、チームの一員としての誇りを持っているからこそだと思っていますし、そんなカルチャーをヘッドコーチ含めたチームスタッフがつくり上げてきたからだと考えています。

(Photo:Hajime Kino)

2025-26シーズンで目指しているのは、B1での優勝です。チームを立ち上げたとき、目標として「最短でB1昇格、5年で優勝」と掲げました。B1昇格には少し苦戦してしまったのですが、「5年で優勝」の目標を果たすチャンスはまだ残っています。B1で優勝するにはチャンピオンシップに出場する必要があり、そのためには最低でも勝率65%を達成しなければなりません。しかしながら、B2から昇格した初年度に勝率50%以上を記録したチームは、これまでに存在しません。必然的に、歴史を変える勝率を目指すことになる。我々はB2でも沢山のことを成し遂げることができたので、このままB1でも新たな歴史をつくりたいと思っています。

さらに、2026-27シーズンからは「B.LEAGUE PREMIER」への参入も決まっています。B.LEAGUE PREMIERがはじまることで、既存のバスケットボールファンに限らず、多くの方にとってバスケットボール観戦が新たなエンターテイメントになるのではないかと考えます。結果として、バスケファン、プレーヤーの人口が増えたらうれしいです。

クラブを根幹としたブランドが
地域をもっと元気にする

ありがたいことに、地域のブランドとしても着実に歩みを進めてくることができました。バスケットボールチームを中心に、フードやグッズ、飲食など、様々な商品開発にも取り組んでいます。たとえば、千葉の企業である幕張ブルワリーさんと共同開発したビールがそのひとつです。

(提供:ALTIRI CHIBA)

これから、ブランドとしてできることの幅をより広げていけるのではないかとワクワクしています。2030年に完成予定の新アリーナは、クオリティもスケールも、トップレベルのアリーナにしていきたいです。そう思っていただくには、チームもトップレベルの強さを誇る必要があるので、チーム一丸となって挑戦を続けたいと思っています。アリーナについて、チームメンバーも楽しみにしてくれているのだろうなと感じます。

アリーナは、マチをつくる大きな要素となってきます。マチが活性化していくこと、多くの方がアルティーリ千葉を好きになってくれて、自分たちのマチにクラブがあることを誇らしく思ってもらえることが重要です。そのうえで、医療や教育の向上を目指したり、飲食店を増やしたりなど、地域がより活性化するようなことをアルティーリ千葉というブランドが支援できたらうれしいです。

ファンとなってくれた飲食店舗の方から「ファンクラブ会員の方にドリンク無料サービスを提供して、連日ファンの方で満席御礼状態になっている」と教えていただいたことがあります。クラブの宣伝をしてくださったり、スポンサードしてくださったりというwinがあり、お店にとってもより活気付くというwinがある。win-winの関係性を築けることはうれしいものです。

アルティーリ千葉のファンネームは「A-xx(アックス)」といいます。社内で議論し、「共にクラブを創る一員であり、質を高めてくれる掛け算のような存在」という意味を込めて名付けました。B3から応援してくださっている方、1年目に買ったユニフォームを今も身に着けて観戦に来てくださっている方に加えて、昨シーズンのプレーオフには6,000名を超えるファンが駆けつけてくださり、本当に心強いです。

プロバスケットボールクラブを根幹に据えたブランドとして、これからも皆さまの期待を越えていきたいと思っています。皆さまの日々の活力となり、誇りに思っていただけるクラブを目指して参ります。A-xxを含めてアルティーリ千葉ですから、ぜひこれからも皆さんのお力をお貸しいただけるとうれしいです。

(Photo:Hajime Kino)

ー おわりに ー

インタビュー中、終始楽しそうな姿が印象的だった新居さん。「B1になったことで、全国に試合観戦に行くことも楽しみです」とワクワクお話してくださいました。地域活性化に、一役も二役も買っているアルティーリ千葉。今シーズンの活躍、来年からはじまるB.LEAGUE PREMIER、2030年の新アリーナの完成と、楽しみが目白押しの存在です。

PROFILE

新居佳英(あらいよしひで)
株式会社アルティーリ 代表取締役CEO
株式会社アトラエ 代表取締役CEO

1974年生まれ、東京都出身。上智大学理工学部卒業後、株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)に入社。人材紹介事業部の立ち上げ、関連会社の代表取締役、本社で200人以上を率いる事業責任者を経験したのち、2003年株式会社アトラエを創業。IT/Web業界に強い成功報酬型の求人メディア『Green』の運営をはじめ、組織力向上プラットフォーム『Wevox』、ビジネス版マッチングアプリ『Yenta』などテック領域の新事業を次々と立ち上げ、2016年6月にマザーズ上場、2018年6月に東証一部への市場変更を果たす。2020年にはプロバスケットボールクラブ『アルティーリ千葉』を設立しSports Tech事業にも進出。共著書に『組織の未来はエンゲージメントで決まる』(英治出版)がある。

株式会社アルティーリ:https://altiri.jp/
株式会社アトラエ:https://atrae.co.jp/

この記事をシェアする

thinc について

クリエイティブに考える人のためのプラットフォーム「thinc」

「クリエイターが輝ける社会を創造する」という当社のミッションを実現するために、「Think Creative」=「クリエイティブに考えよう」という意味を込めた「thinc(シンク)」というプラットフォームを展開しています。
クリエイターが自らの能力・スキルを武器にいつでも、どこでも働くことができる「thinc Workplace」。全国各地のクリエイターにスポットライトをあて、新たな才能の発掘とキャリア形成を支援する「thinc Growth」。そしてクリエイターがより生産的な業務に専念することを可能にする「thinc Project」。
この3つの領域において、さまざまなサービスを展開してまいります。

View More

運営会社

クリエイターと、未来を変える

私たちは多くのパートナークリエイターと協力し、
クリエイティブで企業や社会の課題解決を行うためのプラットフォームをつくる会社です。

View More