thinc Journal(シンクジャーナル)を運営する株式会社クリエイターズマッチは、2025年12月12日(金)に東京都渋谷区にある渋谷ストリーム ホール4-6Fにてクリエイターのリアル交流イベント、『CREATORS MATCH FESTA 2025』を開催。クリエイティブ業界必見のセミナーやスキルアップコンテンツなど充実のプログラムをご用意し、当日は数百名ものクリエイターの方々にお越しいただきました。
本イベントでは、プログラムのひとつとして、会場内でのみ聴くことができる特別なラジオプログラム「Journal Radio」を実施し、これまでthinc Journalにご出演いただいた方々や、今後取材を予定しているクリエイターにご参加いただきました。インタビュアーにはアナウンサーの川越こず恵氏をお迎えし、地域に根ざすクリエイターの活動や未来への展望、そして時には地域を越えた話題も交えながら、多彩なクリエイティブの可能性について伺っています。
本記事では、Journal Radioでお話いただいた内容の一部を抜粋してご紹介します。本編の記事とあわせて、ぜひお楽しみください。
沖縄からさらに広がる
SHIMA DENIM PROJECTの現在地

〜沖縄県〜
山本直人(やまもとなおと)さん
Curelabo 株式会社代表取締役
アップサイクルと呼ばれる、捨てられてしまう一次産業の残さに新たな価値を付与し、地域創生を目指すSHIMA DENIM PROJECT。沖縄県の基幹産業であるさとうきびの絞りかす(バガス)に、日本各地のさまざまな技術を掛け合わせて生み出した「紙の糸」を衣服などに活用するプロジェクトとして、2018年に沖縄県でスタートしました。
現在は、このビジネスモデルを日本全国へと広げる取り組みを進めており、全国21エリアで約30種類の未利用資源をアップサイクルし、循環経済をつくる活動を行っています。その一例が、広島県の福山市でのバラの枝のアップサイクルです。福山市内に植えられている100万本のバラは、剪定のたびに枝が発生し、これまでそのすべてが焼却処分されてきました。これらの枝を糸へと加工し、デニムとして再生しています。福山市は国内有数のデニム生地の産地でもあり、地域に根づく産業と連携しながら、地域から生まれる資源を地域の産業と掛け合わせることで循環経済を生み出そうとしています。
日本国内で広がりを見せているSHIMA DENIM PROJECTですが、近年では素材をヨーロッパ中心に卸すビジネスにも着手。ミラノで活躍するブランドが、パリ・コレクションやミラノ・コレクションで沖縄県のさとうきびのバガスから生まれた糸や生地を使用したことをきっかけに、沖縄発のビジネスモデルを世界へと広げていくことを目指しています。バガスから生まれた製品が気になった方は、ぜひ商品を通して、地域に眠る資源が新たな価値へと生まれ変わるプロセスにも目を向けてみてはいかがでしょうか。
▼山本さんの記事はこちら
障がい者支援事業所との共創による
「ご当地フォント」の作り方

〜東京都渋谷区〜
磯村歩(いそむらあゆむ)さん
一般社団法人シブヤフォント 共同代表
株式会社フクフクプラス 共同代表
専門学校桑沢デザイン研究所 非常勤教員
2017年に渋谷区内の障がい者支援事業所と桑沢デザイン研究所の学生との共創で生まれた「シブヤフォント」。学生やデザイナーとの共創により、障がいのある人が描いた絵や文字からフォントやパターンを生み出し、企業によるデータ活用を通じて、福祉への還元と障がいのある人と社会との接点を創出しています。
今回お話を伺った「ご当地フォント」は、シブヤフォントの仕組みを全国へ広げた取り組みです。これまでに障がいのある人約500人、福祉作業所64施設が関わり、現在は全国22地区へと拡大。2026年4月から、新チームの募集が開始されます。「障がいのある人の存在を、地元の人に知ってもらうことが地域共生社会には大切だ」と語る磯村さん。ご当地フォントは、地元で暮らす障がいのある人を、地元の学生や企業が応援する、障がいのある人のアートの地産地消モデルとも言える取り組みです。
2026年度はすでに7〜10チームがエントリーを予定しており、既存チームに参加するほか、地元の福祉施設と連携して新たにチームを立ち上げるなど、関わり方はさまざま。ぜひ自分にあったかたちでのご参加を検討してみてはいかがでしょうか。
詳細はシブヤフォントのプレスリリース『「ご当地フォント」2026年度 新チーム募集決定!』をご覧ください。
▼磯村さん(シブヤフォント)の記事はこちら
栃木県民マンガ『負けるな!ギョーザランド!!』
作者が語る仕事の広がり

〜栃木県〜
小菅慶子(こすげけいこ)さん
漫画家
デザイナー
講師
とちぎ未来大使
漫画家、デザイナー、講師に加えて栃木県の観光大使「とちぎ未来大使」としてもご活躍中の小菅慶子さん。2025年8月6日に栃木県のご当地マンガ、『負けるな!ギョーザランド!!』の単行本が発売されました。もともとマンガは趣味だったという小菅さんは、デザインの仕事を軸にフリーランスとして活動をしていたなかで、栃木県マンガの企画を打診されたことが、本作誕生のきっかけとなりました。「来た仕事は断らない」スタンスで依頼を引き受けたことが、思いがけない広がりにつながったといいます。
さらに今年は、『負けるな!ギョーザランド!!』が朗読劇として舞台化。キャストは栃木県出身者にこだわってオーディションを行いました。マンガとは違い「命が宿る」ようにキャラクターが声を得て動き出す姿に、思わず涙が出るほど感動したそうです。
今後の目標は「実写映画化」。小菅さんは「いろいろなところで言い続けているので、そのうち実現するんじゃないかと思いながら生きています」と語ります。朗読劇は毎年開催する構想も進んでおり、地元企業とのコラボレーション企画も複数進行中。さらに佐野市内ではイベント企画も動いており、マンガにとどまらない地域に根ざした取り組みで、今後ますます地元を盛り上げていくことでしょう。
▼小菅さんの記事はこちら
Onigoや市川まちガチャ、
「街を舞台」としたデザイン活動のリアル

〜千葉県市川市〜
ミカヅキ合同会社
クリエイティブディレクター 佐藤ヒロック(さとうひろっく)さん
アートディレクター 森弥生(もりやよい)さん
千葉県市川市を拠点に活動するクリエイティブファーム、ミカヅキ合同会社。地域事業として、ご当地ガチャ「市川まちガチャ」、市川・鬼越発のご当地ブランド「Onigo」、そして地元のロースターと共同開発した「オニゴエコーヒー」を展開しています。
2022年の取材から3年が経ち、少しずつ運用が安定し活動の幅も広がってきたという地域での取り組み。思いつきではじめたという市川まちガチャは、第11弾まで発売し、3年で通算37,000個を販売しています。街の名前をモチーフにしたガチャを通して見えてきたのは、意外とみんな自分の街が好き。興味ないふりをしているけど、実は好き。そこに気づけたのが大きかったと語ります。以前はカプセル詰めなどの作業もすべて自分たちで行っていたそうですが、規模の拡大に伴い、今は実行委員会を立ち上げて7名体制で運営。さらに、市内で循環できるように、カプセル詰めやミニブックの作業をB型作業所さんと連携して進めています。地域の仕事はボランティアになりがちですが、持続可能にするために、稼げる仕組みをつくることをポリシーとして活動されています。
来年以降は、会社のクリエイティブ事業の拡大と、地域に根差した拠点づくりを目指しているお二人。一軒家を借りて、上の階をデザイン事務所、下の階をカフェやコミュニティスペースとして活用される予定です。年明け早々には壁を壊すワークショップを開催し、地域の人を巻き込みながら場所づくりを進めていく計画もあります。
「デザイナーができることは、意外と幅広い」「マチと関わると大変なこともあるけれど、同じようにもどかしさを抱えている人は意外といて、ちゃんと発信して声をかけていけば、仲間は自然と集まってくる」とお二人はお話くださいました。これからマチづくりやマチおこしに関わろうとする人にとって、背中をそっと押してくれるようなお言葉です。
▼ミカヅキ合同会社さんの記事はこちら
祭りと観光で地域を活性化。
「オマツリジャパン」創業の想いと挑戦

〜全国各地〜
加藤優子(かとうゆうこ)さん
株式会社オマツリジャパン代表取締役
祭りを社会全体で支えていく仕組みをつくることをミッションに、全国のお祭りを多面的にサポートする株式会社オマツリジャパン。単にお祭りを盛り上げるだけでなく、地域そのものが元気になることを目指し、最終的にお祭りや地域の活性化につながるようなビジネスを展開しています。
お祭りには多くの魅力があります。生きがいになっている人がいたり、観光資源になったり、人と人が交流する場になったり。たとえば、加藤さんが大好きだという青森県のねぶた祭は、開催されるだけで青森県のGDPの約1%を生み出すと言われています。それだけ、お祭りは大きなお金を動かす存在なのです。一方で、近年は物価や人件費の高騰により、「去年と同じ規模では開催できない」「花火大会をやめざるを得ない」といった声も増え、お祭りを取り巻く環境は決して楽ではありません。オマツリジャパンは、広告協賛の獲得、イベント運営の支援、観光コンテンツの企画などを通じて、お祭りの困りごとをビジネスで解決する取り組みを行っています。
お祭りの規模は関係ありません。大きなお祭りでも、地域の小さなお祭りでも、「誰かと一緒にりんご飴を食べた思い出」、その価値は変わらない。どうしたら、祭りに未来を残しながら、持続可能な形で支えられるのか。それを考え続けることが、私たちの仕事だ、と加藤さんはいいます。具体的な事例は、thinc Journalの本編でお話を伺う予定です。公開は2026年2月頃。ぜひ楽しみにお待ちください。
ー おわりに ー
創業20期目を迎えた株式会社クリエイターズマッチ。
「クリエイターが輝ける社会を創造する」というミッションのもと、クリエイターファーストのサービスを生み出してきた当社にとって、CREATORS MATCH FESTA 2025は、節目を象徴する、とても意味深いイベントとなりました。
創業以来初の大規模イベントということもあり、当日を迎えるまでバタバタと落ち着かない日々が続きましたが、無事に盛況のうちに会を終えることができ、社員一同ほっとしています。そのような大きな節目のイベントの中でthinc Journalにご出演いただいた皆さまに改めてお話を伺わせていただけたことは、編集部としては何よりも嬉しい時間でした。
至らぬ点も多々あったかと思いますが、多くのクリエイターの皆さまにお会いできましたこと、この場を借りて心より感謝申し上げます。
今後もthinc Journalは、さまざまなクリエイターにスポットライトを当てるべく尽力してまいります。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
関連記事









